令和4年12月定例会

  • 質問内容: ローカル・マニフェスト「仕事を支える / 賑わい創造」に関して、学校教育向けICT環境推進に関して、不登校児童に関して、地域防災に関して

 

第80号令和5年2月1日号PDF_約3MB_page-0005.jpg

 

 

「つながりが生まれるまち」へ

 

――令和4年12月定例会 一般質問レポート(土黒功司)


皆さんこんにちは。宇土市議会議員の土黒功司です。

 

令和4年12月定例会では、私がこれまで大切にしてきたテーマ――「地域ににぎわいを」「子どもに希望を」「暮らしに安心を」――を軸に、4つの分野について一般質問を行いました。

 

その一つひとつには、「宇土市を“つながりで強くなるまち”にしたい」という思いがあります。

今回はその内容を、少しやわらかくお伝えします。


 

1.にぎわい創造――産業と人を“つなぐ”仕組みづくり

 

市長のマニフェストには、ふるさと納税の拡充、小規模事業者支援、ネットビジネス、宇土ブランドの構築など、多彩な地域経済政策が掲げられています。

私はこれらの施策を「点」ではなく「線」で結ぶことが重要だと考えています。

 


 

1-1.“事消費”と“体験消費”の時代へ

 

今、消費の形は変わりつつあります。

「モノを買う」から、「体験を共有する」へ。

 

農家や漁師が自らブランドを立ち上げ、ネット販売に挑戦する。

地元の素材を使ったスイーツや、体験型の観光が注目される。

 

こうした変化に、市がどう支援し、どのような体制を整えているのかを質問しました。

宇土市の経済は、小さくても“温かいつながり”を軸に成長できると信じています。

 


 

1-2.宇土ブランドのその先へ

 

観光PRアドバイザーや地域おこし協力隊など、民間と行政が連携した成果は大きな財産です。

特に「宇土の旬を届ける実行協議会」は、市のブランド化を支えてきました。

 

しかし、国の補助金が終了した今こそ、“自走できる仕組み”が問われます。

行政が主導するだけでなく、商工業・農業・観光が連携し、

地域全体で宇土の価値を伝える体制づくりを求めました。

 

“お金を回す”だけでなく、“思いをつなぐ”仕組みでもあると私は考えています。

 


 

2.ICT教育――「誰一人取り残さない」学びを宇土から

 

次に取り上げたのは、ICT教育、いわゆるGIGAスクール構想です。

国の方針では、「世界につながる学び」「個別最適な教育」が目指されています。

しかし、現場には課題もあります。

 


 

2-1.重すぎるタブレット問題

 

宇土市の小中学校で導入されたWindowsタブレット(約1.4kg)は、特に低学年の子どもたちにとって負担が大きい。

起動時間が長く、カメラ機能も使いづらい。

 

このような声を現場から伺い、

導入経緯や選定理由、今後の改善策について質問しました。

 

2-2.ICT教育は“機械”ではなく“環境”

 

私は、ICT教育の本質は**「機械を使うこと」ではなく、「学びが広がること」だと考えています。

だからこそ、パスワード管理を含めたITリテラシー教育や、先生方が安心して授業で使える支援体制の整備**を求めました。

 

未来を生きる子どもたちに必要なのは、端末の数ではなく、「テクノロジーを使いこなす力」です。

 


 

3.不登校支援――「学校に行かない」ではなく「行ける場所を増やす」

 

近年、不登校は全国的に増加しています。

その背景には、無気力、不安、家庭環境など、多様で複雑な要因があります。

 

私は、「学校に戻す」ことだけがゴールではなく、「安心して過ごせる選択肢を増やすこと」が支援の本質だと訴えました。

 


 

3-1.保護者への伴走支援

 

子どもが学校に行けない時、最も孤立しやすいのは保護者です。

私は、学校や行政だけでなく、保護者に寄り添う伴走型の支援体制を整えるよう提案しました。

「誰が、どこで、どう支えるか」を明確にすることが大切です。

 

3-2.居場所の選択肢を

 

他地域では、フリースクールサードプレイス(第3の居場所)が整備され、子どもや保護者の心の支えとなっています。

宇土市でも、こうした取り組みを取り入れ、

“学校以外でも学べる環境”を整備する方向を求めました。

 

「一人ひとりが自分らしくいられる場所」を、まちの力で支えたい。

それが、私の願いです。

 


 

4.地域防災――“特別な時の備え”を“日常の文化”へ

 

熊本地震、そして人吉豪雨。

私は現場支援に携わる中で、災害は「いつか」ではなく「いつも」の視点で向き合う必要があると痛感しました。

 


 

4-1.経験を次につなぐ

 

過去の災害で得た教訓が、今の宇土市の防災計画にどう活かされているのかを確認しました。

経験は「記録」ではなく「行動」に変えてこそ意味がある。

 

4-2.備蓄を“見える化”しよう

 

市が保有する防災備蓄品の内容と配布の仕組みを、市民にも公開すべきと提案しました。

「備え」は共有することで初めて力になります。

 

また、家庭での**ローリングストック法(使いながら備える)**の実践を、市として後押ししていくよう求めました。

たとえば、地域イベントで備蓄品の調理体験をするなど、防災を“生活の一部”にする取り組みです。

 

4-3.“成果”ではなく“変化”を

 

最後に、私は市の事業を評価する際には、単に「やったかどうか」(アウトプット)ではなく、

「地域がどう変わったか」(アウトカム)を重視してほしいと訴えました。

 


 

終わりに:まちの力は「つながり」にある

 

産業、教育、福祉、防災――一見バラバラなテーマに見えますが、

その根底にあるのは、「人と人が支え合うまちをどうつくるか」という問いです。

 

AIやICTが進化しても、地域を動かすのは“人の想い”です。

私はこれからも、行政と市民、子どもと大人、企業と地域――

それぞれのつながりを強め、「みんなで未来を育てる宇土」を実現していきたいと思います。

 


#宇土市議会 #地域防災 #教育と地域の力

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