令和5年6月定例会

  • 質問内容: 宇土市新庁舎の建設、利活用に関して、子どもたちの安心安全な通学確保に関して 、人工知能の登場における業務・教育への影響に対する見解 要旨

 

第82号令和5年8月1日号PDF_約3MB_page-0016_web.jpg

 

 

「未来をつくる庁舎」「命を守る通学路」「AIで変わる行政」

 

――令和5年6月定例会 一般質問レポート(土黒功司)


皆さんこんにちは。宇土市議会議員の土黒功司です。

 

令和5年6月定例会では、「新庁舎の活用」「通学路の安全」、そして「AIを活用した行政改革」の3つのテーマで一般質問を行いました。

どのテーマにも共通するのは、「未来の宇土をどう守り、どう育てていくか」という問いです。


 

1. 新庁舎は“建物”から“まちのシンボル”へ

 

新庁舎が完成して1か月。

多くの市民の皆さんが新しい施設を訪れ、「明るくて使いやすい」「子どもを連れて行きやすい」と好評の声を寄せてくださっています。

私は議会で、その一方で「もっと“宇土らしさ”を感じられる庁舎にできるのではないか」と提案しました。

 


 

1-1. 売店とATMの見直しをどう考えるか

 

新庁舎の計画段階で設置が予定されていた「売店」と「ATM」。

ところが、実際の運用では仕様変更が行われました。私はその理由と経緯を確認し、市民にとっての利便性を第一に考えた運用を求めました。

 

特に売店については、単なる販売機能にとどまらず、宇土市の名産品を展示・販売し、観光や地域産業の発信拠点として活用することを提案しました。

庁舎は行政の“顔”であると同時に、“地域を映す鏡”です。宇土の魅力を感じられる空間にしていきたいと考えています。

 


 

1-2. 市民と子どものために――余剰財源を未来へ

 

今回の新庁舎建設は、当初予定よりも安価で落札されました。

私はこの「浮いた財源」を、子どもや次世代のための投資として活用してほしいと要望しました。

たとえば、教育環境の整備、公園や子どもの居場所づくりなど。

“ハコもの”で終わらせず、そこに“人の活動”を育てるのが本当のまちづくりです。

 

さらに、庁舎建設にかかる最終償還額や普通交付税措置の見通しを質問し、財政的な透明性を求めました。

「新しい庁舎を未来の負担にしない」――この視点も欠かせません。

 


 

2. 子どもたちの命を守る通学路づくり

 

私は毎朝、旗振りボランティアとして子どもたちの通学を見守っています。

その中で感じるのは、**「安全は人の手で守られている」**ということです。

白線が薄れていればボランティアが注意し、車の流れが変われば自分たちで工夫して立ち位置を変える。

現場には、日々努力を続ける人たちがいます。

 


 

2-1. ボランティアの現状と課題

 

現在、宇土市の見守りボランティア登録者は136名

3年間でほぼ横ばいの状況です。

私はこの数字を受け止め、「安全を支える担い手が減っている現実」を指摘しました。

 

安全対策はハード整備だけではありません。

“人の力”をどう維持するかが最大の課題です。

そのため、市には「やりがいづくり」に力を入れてほしいと提案しました。

 


 

2-2. “ありがとう”を伝える仕組みを

 

ボランティアが「続けてよかった」と思える瞬間をつくる。

例えば、他市が導入しているような感謝状やポイント制度、子どもたちから直接メッセージを届ける取り組みなど、

形のある“ありがとう”を伝える工夫が必要です。

 

「通学路を見守る人の姿こそ、地域の温度を表す」。

安全は設備ではなく、人のまなざしが守るもの。

そんな宇土らしい取り組みを広げていきたいと思います。

 


 

3. AI時代の行政――「変わる勇気」を持とう

 

人手不足、事務の複雑化、迅速な情報発信の必要性。

これらを解決する鍵が、AI(人工知能)とDX(デジタルトランスフォーメーション)です。

 

私は議会で、AI導入に関する現状と今後の方針について質問しました。

 


 

3-1. 行政の中に「AIの視点」を

 

ChatGPTのような生成AIは、すでに世界中の行政で活用が始まっています。

文章作成、資料整理、住民相談の一次対応――AIがサポートすることで、職員がより本質的な仕事に集中できます。

 

私は「AI導入を単なる業務効率化ではなく、職員が創造的に働ける環境づくりの一環として考えるべき」と述べました。

AIは人を減らすための技術ではなく、“人の時間を取り戻す”ための技術です。

 


 

3-2. 教育現場への影響と未来への投資

 

AIが社会の基盤となる未来を見据え、教育の現場も変化を求められています。

私は「10年後、子どもたちがAIと共に生きる時代に、どんな力が必要か」を問いかけました。

 

その上で、「インクルーシブ教育(誰一人取り残さない教育)」の重要性を訴えました。

子どもの個性や感性を尊重し、枠にはめるのではなく、“それぞれの学び方”を支える教育。

それこそがAI時代における、人間らしい教育のあり方です。

 


 

終わりに――未来への三つの投資

 

令和5年6月定例会での3つのテーマは、すべて「未来への投資」だと考えています。

  • 新庁舎は、子どもや市民の交流が生まれる“まちのシンボル”に。

  • 通学路の安全は、地域の絆と命を守る基盤に。

  • AIの導入は、行政と教育を変える“新しい力”に。

 

宇土の未来は、ハードでもテクノロジーでもなく、人と人のつながりから育ちます。

だからこそ、私はこれからも「人が主役のまちづくり」を議会の場から提案し続けます。

 


#宇土市議会 #AIと教育 #地域の安全

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