令和5年3月定例会

  • 質問内容: 子どもたちの小中学校受入環境について、子どもの遊びの場・学びの場に関して、宇土市商店街の活性化と,市内創業・開業への取組に関して

 

第81号令和5年5月1日号PDF_約3MB_page-0015.jpg

 

 

「選ばれる町」から「選ばれ続ける町」へ

 

――令和5年3月定例会 一般質問レポート(土黒功司)


皆さんこんにちは。宇土市議会議員の土黒功司です。

 

令和5年3月定例会での私の一般質問のテーマは、

「選ばれる町、選ばれ続ける町」――“暮らす”という視点からのまちづくりでした。

 

観光や話題性で「選ばれる」ことも大切ですが、私は**「暮らすことを選び続けてもらえる町」**こそ、本当の意味での“選ばれる町”だと考えています。

そこには、安心して子どもを育てられる環境、地域で学びや交流が生まれる場、そして挑戦する人を応援できる経済の仕組みが欠かせません。

 

この思いを軸に、3つの分野から市政に問いかけました。


 

1.すべての子どもが自分らしく学べる学校環境へ

 

コロナ禍を経て、子どもたちは見えないストレスを抱えてきました。

登校時にうつむいて歩く姿を見て、「何かが足りない」と感じたのです。

 

そこで私は、宇土市の小中学校の特別支援学級の設置状況と支援員の配置について質問しました。

 

現在、県内では約20人に1人の子どもが特別な支援を必要としており、宇土市でもその数は増えています。

しかし、市内にはまだ特別支援学級が設置されていない学校もあり、地元の学校に通いたくても叶わない子どもや保護者がいるのが現状です。

 

「特別な支援が必要」――それは特別な子どもという意味ではなく、

「一人ひとりの個性に合った学びがあるべきだ」という社会の責任だと私は思います。

 

走り方小学校のように児童数の多い学校にも支援体制を整え、

“どの地域でも安心して学べる宇土市”を目指すべきだと訴えました。

 


 

2.「遊び」「学び」「ふれあい」が生まれるまちへ

 

子どもたちが笑顔で遊び、学べる環境――それが「暮らしやすさ」の根幹です。

 

私は今回、公園と図書館という、地域の学びと交流の拠点に注目しました。

 


 

2-1.公園の現状と課題

 

市内の公園や広場の現状を尋ねたところ、老朽化や管理体制の課題が浮き彫りになりました。

「子どもが自由に遊べる場所が減っている」という保護者の声も多く聞きます。

 

公園は子どもの“社会の入り口”です。

遊びを通して学び、地域の大人とつながる――そんな場を整えることが、地域全体の教育力を高めることにつながります。

 


 

2-2.本に出会う機会をもっと

 

また、図書館や学校の蔵書数、図書購入費を調べると、全国水準と比べて宇土市はまだ十分とは言えません。

「本に出会うチャンス」を増やすことは、子どもたちの想像力や表現力を育てる最大の投資です。

 

ここで私は、ふるさと納税の使い方に注目しました。

現在、宇土市では年間10億円を超える寄附が集まっています。

その一部を、図書館や子どもの遊び場といった“未来を育てる投資”に充てていくことを提案しました。

 


 

2-3.走潟川まちづくりを「学びと遊びの場」に

 

現在計画中の「走潟川まちづくり事業」も、単なる河川整備ではなく、

子どもたちの遊び・学び・地域交流の拠点として発展させていくべきです。

たとえば図書館や公園を組み合わせた複合的な空間を整備し、

親子や地域住民が“自然と関わり、学び合う”場所にしていく。

 

「ふるさと納税を未来への架け橋に」――

そんな考え方で、次のまちづくりを描いていきたいと思います。

 


 

3.商店街から始まる“地域経済の循環”

 

「商店街が元気になること」――それは単に買い物が便利になるという話ではありません。

そこには、人の交流、地域のにぎわい、そして地元でお金が回る仕組みが詰まっています。

 

私は今回、宇土市の商店街の空き店舗状況や創業・廃業の動向について質問しました。

平成29年度から令和3年度にかけて、法人市民税収が57%減少している現実を示し、

「今こそ地域経済の再生に取り組むべき」と訴えました。

 


 

3-1.ネット時代の商店街活性化

 

近年、PayPayキャンペーンなどの効果もあり、

インターネットを活用した販促やキャッシュレスの導入が進みつつあります。

 

私は、こうしたデジタルツールを地域経済循環の起点に変えるべきだと考えています。

商店街や中小企業がオンライン販売やSNS発信に挑戦できるよう、行政が伴走支援する体制を整えること。

これが、地方でも「小さくても輝く経済」を実現する鍵になります。

 


 

3-2.「チャレンジしやすい町」宇土へ

 

他自治体の例として、宮崎県新富町が掲げる「世界一チャレンジしやすいまち」を紹介しました。

人吉市のように地域通貨や情報アプリを通じて経済を循環させる仕組みも参考になります。

 

宇土市でも、行政と民間が協力し、新しい挑戦を後押しする土壌づくりを進めたい。

失敗を恐れず、挑戦を称える風土――それが、「選ばれ続けるまち」の原動力になると信じています。

 


 

終わりに:暮らしを真ん中に置いたまちづくりを

 

“選ばれる町”とは、観光で訪れる町ではなく、

「ここで暮らしたい」と思われる町。

 

そこには、

・子どもたちが笑顔で学び遊べる環境

・挑戦する人を支える経済の循環

・地域で支え合う温かいコミュニティ

――そんな日常が息づいています。

 

私はこれからも、数字では見えにくい「人の幸せ」を政策の中心に据え、

「暮らすことを誇れる宇土市」を市民の皆さんと共につくっていきます。

 


#宇土市議会 #地域づくり #選ばれるまち

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