令和7年9月定例会

  • 質問内容: 豪雨災害への対応として災害ゴミ処理と情報伝達の強化、ならびに学校給食センターの老朽化対策と給食費の適正化

 

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「災害への備えと、子どもたちの食の未来を守るために」

 

――令和7年9月定例会 一般質問レポート(土黒功司)


皆さんこんにちは。宇土市議会議員の土黒功司です。

 

令和7年9月定例会では、

豪雨災害への対応」と「学校給食センターの老朽化と給食費の適正化」という、

市民の命と暮らし、そして子どもたちの未来に直結する2つのテーマについて質問しました。


 

1.豪雨災害対応 ―― “備え”を実践に変える

 

8月10日から11日にかけての豪雨により、市内でも浸水被害や土砂災害の危険がありました。

まず初めに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げるとともに、

夜を徹して対応された職員や消防団、自主防災組織、地域の皆さんに深い感謝をお伝えしました。

 

今回の質問では、この災害を教訓に、

災害ごみの処理体制」と「情報伝達の強化」という2つの課題に焦点を当てました。

 


 

1-1.災害ごみ仮置き場の整備と運用の課題

 

災害後の生活再建で最も重くのしかかるのが、家財や家電などの「災害ごみ」です。

適切な仮置き場の設置が遅れると、被災者は心身ともに疲弊し、二次被害の危険も増します。

 

私は以下の点を市に質問しました。

  • 仮置き場の設置状況と市民への周知方法

  • 運用時に発生した課題

  • 高齢者や独居世帯など、搬出困難者への支援策

  • 大規模災害時に備えた候補地の分散化と拡充計画

 

特に、松山町周辺に候補地が偏っている現状を指摘し、

「市の中心部や西部地区にも仮置き場を設け、

市役所駐車場などを一時的に活用できる仕組みを整えるべき」と提案しました。

 

災害は“想定外”ではなく、“想定内”として準備する。
市民の安心は、平時の備えの積み重ねでしか守れません。

 

1-2.情報伝達の多重化と“届く仕組み”

 

災害時、情報が届くかどうかが「命を守れるかどうか」を左右します。

防災行政無線、エリアメール、Lアラート、LINE、個別受信機――。

これらの連携と使い分けをどう明確化しているのかを確認しました。

 

私は、市に次のような改善を求めました。

  • 各手段の発信基準の明確化と一元管理

  • 個別受信機の拡充と、地域単位での情報共有訓練の推進

  • ITリテラシーに関わらず誰にも届く多重伝達体制の確立

  • LINE公式アカウントの通知精度向上(配信時間帯・対象地域設定の見直し)

 

市長には、「すべての市民に、確実に、早く情報が届く宇土市」

を目指す今後の環境整備方針を問いました。

 


 

2.学校給食センター ―― 子どもたちの“食”を守る責任

 

次に取り上げたのは、学校給食センターの老朽化と給食費の適正化についてです。

私は常に、「食育」も教育の一部だと考えています。

子どもたちが毎日食べる給食は、心と体をつくる大切な「学び」です。

 


 

2-1.給食費の現状と保護者負担

 

まず、直近3年間の1食あたりの実コスト保護者負担額の推移、

そして文部科学省の栄養基準達成率、地元食材の使用率を尋ねました。

 

給食費は全国的に見直しが進んでいますが、

私は「値上げありき」ではなく、“栄養の質を落とさず、持続可能な運営をどう確保するか”という視点で議論しました。

 

市内でも物価高騰により、主食・副食・調味料のコストが上昇しています。

現場では「食材の選定に苦労している」「栄養バランスの確保が限界」との声もあります。

 

だからこそ、

「栄養価と地産地消を両立した給食を維持するための仕組み」を

早急に整える必要があります。

 


 

2-2.地元食材の活用と食育の深化

 

私は、地元食材の使用率をさらに引き上げることを提案しました。

 

現状では約10%前後の活用率にとどまっていますが、

「柑橘類や米、海苔、野菜など、宇土の魅力ある産物をもっと使うべき」と訴えました。

 

また、生産者と子どもたちが直接触れ合う食育体験の拡充を求め、

教育部だけでなく農林水産課など全庁的な連携体制で取り組むよう要望しました。

 

地元の味を知ることは、地元を誇りに思う第一歩。
子どもたちが「宇土の食」を語れるような教育を進めていきたい。

 

2-3.老朽化した給食センターの現状と課題

 

現在の給食センターでは、調理機器の老朽化が進み、

回転釜の故障や高温時の調理制限が発生している実態を確認しました。

 

また、HACCP(衛生管理)基準への対応や、

アレルギー対応の分離調理といった観点でも課題があります。

 

災害時に「食の提供拠点」として機能するかどうかも問いました。

停電時の非常用電源や備蓄体制を整えることは、

防災の観点からも急務です。

 


 

2-4.「次の50年を見据えた給食センター」へ

 

私は市長に対して、次の3点を要望しました。

  1. 新センター建設の早期検討

     防災機能や太陽光設備を備え、災害時の食の拠点としても活用できる施設に。

  2. 財源の多様化

     有利な地方債・交付税措置を活用し、財政負担を抑えながら進めること。

  3. ハイブリッド自校式の検討

     一部学校に自校調理機能を持たせる「分散型給食」の可能性も探ること。

 

“食”は、未来への投資。
子どもたちの健康を守ることは、まちの未来を守ることです。

 

終わりに ―― 「危機への備え」と「日常の安心」は同じ線上にある

 

今回の一般質問を通して改めて感じたのは、

災害対応も、教育も、子どもたちの給食も、すべては「日常の安心」を守るための仕組みだということです。

 

災害時に迅速にごみが処理できること、

情報が確実に届くこと、

そして、毎日子どもたちに温かい給食が届くこと。

 

これらは、どれも市民が「このまちで暮らしてよかった」と思える基盤です。

 

私は、現場の声と未来の視点を両立させながら、

「災害に強く、子どもにやさしい宇土市」を実現するため、

これからも全力で議会活動に取り組んでまいります。

 


#宇土市議会 #防災まちづくり #学校給食

 

 

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