
「子どもが真ん中にあるまち」を、言葉から実行へ。
――令和6年12月定例会 一般質問レポート(土黒功司)
皆さんこんにちは。宇土市議会議員の土黒功司です。
令和6年12月定例会では、「子どもど真ん中応援サポーター宣言」と「教育DX(ギガスクール構想)」という2つのテーマを取り上げました。
どちらも共通しているのは、**「子どもの目線で、まちを見つめ直す」**という姿勢です。
子どもに優しいまちは、誰にとっても優しいまち。
その実現に向けて、行政・教育・地域が一体となって動き出すための議論を行いました。
1.「子どもど真ん中」宣言を“理念”で終わらせないために
11月17日、宇土市は「子どもど真ん中応援サポーター宣言」を行いました。
この宣言は、「子どもたちの声を聴き、子どもにとって一番良いことを優先する」という市長の明確な意思表明です。
私はまず、この取り組みに心から賛同したうえで、次のように質問しました。
宣言を“発信”で終わらせず、具体的な行動と仕組みで示してほしい。
1-1.宇土市の子育て支援は“量”だけでなく“見せ方”の工夫を
宇土市の子育てガイドブックを改めて読むと、未就学児・児童への支援はかなり充実しています。
しかし、市民からは「制度が多くて分かりづらい」「他の市とどう違うのか見えにくい」との声もあります。
そこで私は、市に対し次のように提案しました。
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「宇土らしさ」を打ち出すPRを。
例:「宇土ではここまでサポートしている」「宇土はこの制度が強み」など、
他市と比較してわかる見せ方を広報やガイドブックに反映する。
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見た目で伝わる広報戦略を。
イラスト・ストーリー・リアルな体験談など、“目に留まる”形で情報発信する。
子育て支援の中身は素晴らしい。あとは「どう伝えるか」です。
1-2.「子どもの声を聴く」を実践に
宣言文の中には「子どもの声を聴きます」という一文があります。
私はこの言葉を「本気で実行するにはどうするのか?」と問いかけました。
たとえば、
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学校現場での児童・生徒アンケートの定期実施
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子ども議会やワークショップの開催
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子どもがまちづくりに意見を出せる“対話の場”の創出
など、子ども自身が「自分の意見が届く」と実感できる仕組みが必要です。
市長は「子どもの声を大切にし、市政に反映させる姿勢を全庁で共有する」と答弁しました。
この言葉が、宇土市の行政文化として根づくことを期待しています。
1-3.“子どものための行政”から、“子どもとつくる行政”へ
私は最後にこう述べました。
「子どものために何かを“してあげる”まち」ではなく、
「子どもと一緒に未来をつくるまち」へ。
子どもど真ん中の理念は、市民全員の意識改革から始まります。
学校、地域、行政が手を取り合い、宇土の子どもたちが「このまちに生まれてよかった」と思える環境を整えていきたいと思います。
2.教育DXで、「一人ひとりに合った学び」を実現する
次に取り上げたのは、ギガスクール構想(教育DX)。
私はこのテーマを、「子どもど真ん中」の実践そのものだと考えています。
なぜなら、教育DXは単なるデジタル化ではなく、
「子ども一人ひとりの個性に寄り添った学びを実現する仕組み」だからです。
2-1.5年間の投資をどう活かすか
宇土市では、令和元年度から令和5年度までの間に、
端末整備・ソフト導入・通信環境整備などに多額の投資を行ってきました。
私は、市に対して次の点を明らかにするよう求めました。
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5年間の総事業費と内訳
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国の補助金・交付金と市の一般財源の割合
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今後の更新費用の見通し
「DXは未来への投資」である一方で、市民の税金を使う以上、
費用対効果を明確にし、次につなげる検証が必要です。
2-2.現場の声――“使いづらい端末”の現実
現場の先生方からは、
「タブレットが重い」「起動が遅い」「バッテリーが持たない」などの声が多く寄せられています。
さらに、ICTサポーターが授業支援ではなく機械のトラブル対応に追われている現状も。
私はこう指摘しました。
「導入時に“教育のための道具”として研修やルールを徹底すべきだった。」
これまでの課題を正直に受け止め、次期更新に活かすこと。
それこそが、教育DXを“進化”させる鍵です。
2-3.次の端末選定は「未来を見据えた投資」に
来年度、端末の更新が予定されています。
ここで最も重要なのは、「コスト削減」ではなく「将来性」です。
短期的に安く抑えても、スペック不足が原因で数年後に再投資が必要になる――。
私は、市に対し次のように求めました。
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OSの安定性、メモリ、処理速度などを5年先を見越して選定すること。
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現場の先生方の意見を反映し、実際の使いやすさを重視すること。
安さではなく、“子どもの時間”を無駄にしない端末選びを。
それが本当の意味での「教育投資」です。
2-4.教育DXの本質は「個別最適な学び」
ICT教育の最終目的は、「個別最適な学びと協働的な学び」の実現です。
私は、これを「伏線型授業」という形で推進すべきだと述べました。
子どもが自分のペースで学び、互いに教え合い、探究していく。
先生はそのナビゲーターとして支援する――。
教育長からは「現場の声を丁寧に聞きながら、機器の改良と指導の質の両輪でDXを進めたい」との答弁がありました。
市長も「子どもど真ん中の理念のもと、最高の教育環境を整える」と力強く応じられました。
終わりに――“理念”を“日常”に変えるのが、政治の役割
今回の一般質問で感じたのは、
どんなに良い理念や制度も、現場で実感できなければ意味がないということです。
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宣言は「子どものためにどう行動するか」を問う第一歩。
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教育DXは「子どもの学びをどう広げるか」を問う挑戦。
私は、これらを実現するために、
「子どもの声が届く政治」「子どもの未来を支える行政」を貫いていきます。
宇土市が、子どもにとって、保護者にとって、先生にとって、
“誇れるまち”であり続けるように――。
これからも、現場の声をまっすぐに市政へ届けていきます。
#宇土市議会 #子どもど真ん中 #教育DX
