
宇土市の未来を支える「人」と「地域」へ
――令和5年9月定例会 一般質問レポート(土黒功司)
皆さんこんにちは。宇土市議会議員の土黒功司です。
今回のブログでは、令和5年9月定例会で私が一般質問として取り上げた2つのテーマ――
「地域経済の活性化」と「子育て支援」についてお伝えします。
どちらも一見別の分野のように見えますが、根っこは同じです。
それは、「宇土に生きる人の営みを支えること」こそ、市政の使命であるという思いです。
1. 地域経済を守る――中小企業の声を政策の真ん中に
昨今の物価高騰や燃料費の上昇が、市民の生活に直撃しています。
特に、地域の中小企業や商店は厳しい経営環境に置かれており、**コロナ禍で受けた融資の返済(ゼロゼロ融資)**が本格化するなかで、全国的に倒産件数も増えています。
こうした中で私は、**「地域経済の現実を、行政がどれだけ正確に把握しているか」**を問いました。
宇土市内の中小企業・小規模事業者の現状、返済の影響、そして今後の支援策――。
現場の声を政策に反映することが、今まさに求められています。
1-1. 「宇土市中小企業振興基本条例」の原点に立ち返る
平成26年に制定された「宇土市中小企業振興基本条例」は、地域経済を支える基礎となる理念を定めたものです。
しかし、制定から10年。経済環境が激変した今、この条例がどれだけ生かされているかを改めて確認する必要があります。
私は質問の中で、この条例が制定に至った経緯や目的を再確認したうえで、
「現状に合った実効性ある運用ができているのか」「中小企業が行政と対等に意見交換できる場が確保されているのか」を問いかけました。
条例は“飾り”ではなく、“生きた道具”であるべきです。
地域の商工会、事業者、大学、行政が同じテーブルにつき、新しい宇土の産業モデルを共に描く仕組みづくりが必要だと感じています。
1-2. 地域産業の未来をどう描くか
資金援助だけでなく、これからは**「知の連携」**が重要です。
大学との共同研究や、地域の事業者同士の連携によって、
宇土ならではの特産品開発、観光資源の磨き上げ、若者の起業支援など、
“宇土発”の新しい価値創出が見えてきます。
私は市長に対して、
「行政がつなぎ役となり、産学官が協働できるプラットフォームをつくるべきではないか」
と提案しました。
地域経済の活性化は、補助金だけでなく“人のつながり”から始まる。
それを宇土市から形にしていきたいと考えています。
2. 子どもと保護者を支えるまちへ――「伴走型」の子育て支援
子どもは地域の宝。
そして、子育てに不安を抱える親を支えることが、地域を強くする第一歩です。
私は今回、「子育て支援」を“経済政策の延長線上”として位置づけ、
保護者支援・不登校支援・相談体制の整備について質問しました。
2-1. 子育て世代のリアルな悩み
乳幼児期の保護者からは、「子育ての不安を気軽に話せる場所が少ない」という声を多く聞きます。
行政窓口は制度説明の場であっても、“心の相談”まではなかなか踏み込めません。
私は、気軽に相談できる「子ども家庭センター」やサードプレイス的な居場所の整備を求めました。
これからの支援は、「困ったら来てください」ではなく、
行政が寄り添っていく仕組み=伴走型支援への転換が必要です。
2-2. 不登校の増加と支援の現場
全国的に不登校が急増しており、その背景には無気力・不安・人間関係の悩みなど、さまざまな要因があります。
宇土市でも例外ではなく、特に低年齢化が顕著になっています。
私は、不登校児童への支援体制について、**スクールソーシャルワーカー(SSW)やスクールカウンセラー(SC)**の配置状況や役割を確認しました。
SSWは学校と地域、病院、支援機関をつなぐ「ハブ」であり、
単なる専門職ではなく、“伴走者”としての存在が重要です。
子どもが安心して相談できる人、保護者が信頼して頼れる人。
そうした人材が地域に根付くことこそ、教育の「質」を高めることにつながります。
2-3. 相談と居場所のデザイン
「どこに相談したらいいか分からない」――この声を減らすために、
行政・学校・地域が情報を共有し、市民が自然に支え合える仕組みを整えることが必要です。
その第一歩が、今進められている「子ども家庭センター」の設置。
制度としての“窓口”ではなく、人と人がつながる“安心の場”として機能することを期待しています。
終わりに:人が輝くまちに、経済も育つ
地域経済と子育て支援――一見別のテーマですが、実は同じ根を持っています。
どちらも**「人を大切にするまち」**をどうつくるか、という問いに向き合うことです。
企業が元気であれば雇用が生まれ、家庭が安定します。
家庭が安心であれば、地域に笑顔が広がります。
私はこれからも、「人と地域の循環」を軸に、
経済・福祉・教育がつながる政策を提案し続けていきます。
未来をつくるのは行政ではなく、市民一人ひとりの力です。
その力を引き出す市政を、皆さんとともに。
#宇土市議会 #地域経済 #子育て支援
